とき・おりブレンド 夏
思い出、情景、気分 心の中に香りと共に
「とき・おりブレンド」 – 夏 –
7 立夏(りっか)5ml
端午の節句。子孫繁栄、立身出世、無病息災を願う。「黄河上流の滝まで登った鯉は龍になれる」、鯉のぼりの季節は心弾む夏の始まり。
初夏の青葉をゆすって吹き渡るやや強い風のことを「青嵐」という。どこか冷たさを含んでいた風は心地よさを増し、木々が若葉を成長させ、生き物たちが活発に活動を始めると少しずつ夏の気配が濃くなる。
この時期は田植えのシーズン。水の神様「妖怪の河童」は田植えを手伝うという。田んぼに貼られた水が朝陽や夕陽にキラキラと輝く情景は感動的な美しさで、何百枚もの田が斜面に沿って連なる棚田は日本の里山の原風景。オタマジャクシがカエルになり そこかしこの田んぼのあぜ道やたまりで鳴き始める。アマガエルが鳴くのは近くで雨が降るという知らせらしい。
ブレンドオイル | 学名 | 部位 | 抽出方法 | 原産地 |
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広島レモン | Citrus paradisi ミカン科 | 果皮 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
ゼラニウム | Pelargonium graveolens フウロソウ科 | 葉 | 水蒸気蒸留法 | モロッコ |
8 小満(しょうまん)5ml
陽気が増し太陽を浴び、稲田に爽快な風が吹き抜け、天地にエネルギーが満ちあふれ万物がすくすくと育つ麦の収穫の季節を迎える。晴天が草木の緑を濃くし、雨が大地を潤して命を育む。
シジュウカラは「ツーピー、ツツピン」と細い声で鳴き、軒先ではツバメが巣をつくり子育てに励む。山あいの渓流には岩魚。
しだいに晴れの日も少なくなり始め、ジメジメした梅雨に向かう「はしり梅雨」。庭先では白いクチナシの花が香り高く咲き、紫陽花の彩りが徐々に目を楽しませてくれはじめる。
ブレンドオイル | 学名 | 部位 | 抽出方法 | 原産地 |
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広島レモン | Citrus limon ミカン科 | 果実 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
アサクラサンショウ | Zanthoxylum piperitum ミカン科 | 果実 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
カモミール | Matricaria chamomilla キク科 | 花 | 水蒸気蒸留法 | イタリア |
青海波
幸せや平和な暮らしへの祈りがこめられた文様。半円形を重ねたものを鱗状に並べることで「波」を表しいてる、中国から飛鳥時代の日本に伝わった。青海波文様は「無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願い」が込められており吉祥文様(きっしょうもんよう)のひとつ。縁起の良い文様の一つとして親しまれているので、手元に一つ置いていると何か良い気分でいられそう。
10 夏至(げし)5ml
一年のうちで昼が最も長い日 一日の中で昼の日照時間が最も長くなり、夜が最も短くなる 日。 田植えが終わり農家にも休息が訪れる。梅雨の長雨が続いて太陽はなかなか顔を出さないが、やがて太陽が最も高く日差しが強くなり、夏に向かって暑さが増して行く。
恵みの雨が降り注ぎ植え付けた作物はすくすく成長し、カエルたちは餌となる虫を追って元気に飛び回る。蛍が出始め、トンボが飛び、「シャシャシャ」「チィー」「ミーン・ミンミンミンミー」「カナカナカナ」と朝から夕方まで蝉の大合唱。昔は稲にとりつく害虫退散を祈願するために、農民は藁人形を中心に鐘や太鼓で囃しながら村の中を練り歩いた。今では夏の訪れを告げる風物詩となる「茅の輪くぐり」「夏越祓い」「祇園祭」などのお祭りが続き、疫病退散、災厄除去のための祈願をする。そして、織姫と彦星が一年に一度会える七夕を迎え、梅雨明けへと向かう。
ブレンドオイル | 学名 | 部位 | 抽出方法 | 原産地 |
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サンショウ | Zanthoxylum piperitum ミカン科 | 果実 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
ヒノキ | Chamaecyparis obtuse ヒノキ科 | 樹幹 | 水蒸気蒸留法 | 台湾 |
ユズ | Citrus junos ミカン科 | 果皮 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
縞
飛鳥高松塚古墳壁画の女子の装いや正倉院宝物の染織品にも見られ、平凡さと洗練さのある文様。「縞」は南蛮貿易で舶来した「島もの」の「島」のから転化。江戸期には「粋」と繋がり「意気」「生」に通じ、気さくで嫌みのない下町町人気質を経て、都会的で洗練された美しさを示すものとなった。
11 小暑(しょうしょ)5ml
梅雨が明け、強い日差しと共に気温が一気に上がる。蝉の鳴き声が響きわたり、ギラギラとした暑い夏がいよいよ始まる。
夏ならではの行事、山開き、川開き、海開き、花火大会、様々な夏祭り、そして七夕は織姫星と彦星が年に一度だけ天の川を渡り会うことが許された特別な日。短冊を笹竹に飾り川に流すと、海に出て水平線から天の川にたどり着き願いが叶うと言う。
この頃の熱い風には「白南風」「黒南風」など色の名前がついている。夏の風に揺れる風鈴の音は懐かしい音色で心を穏やかにしてくれ、浴衣で出かけたほおずき市の縁日が思い出される。やがて暑さはさらに厳しい大暑へと向かう。
ブレンドオイル | 学名 | 部位 | 抽出方法 | 原産地 |
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スイートオレンジ | Citrus sinensis ミカン科 | 果皮 | 圧搾法 | ブラジル |
ジュニパーベリー | Juniperus Communis ヒノキ科 | 液果 | 水蒸気蒸留法 | アルバニア |
ウラジロモミ | Abies homolepis マツ科 | 枝・葉 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
古くは縄文土器にもにもみられ、ルーツは水草のヒシの葉や実の形。ヒシは繁茂しやすいことから子孫繁栄や無病息災を、雛祭りの菱餅は大地や心臓の形で子供の成長を願う厄除け、武田信玄の家紋武田菱は米を作る田んぼを表しています。
12 大暑(たいしょ)5ml
太陽が照りつけ陽炎がゆらゆらと立ち上り、吸う息も暑く感じられる。
アブラゼミの「ジリジリジリジリ」という鳴き声。ギラギラとした日差しを浴びる中、夏休みは昆虫採集が定番だった。お目当ては今も昔もカブト、クワガタ、セミ、蜻蛉。中でもオニヤンマは不動の人気だ。
猛暑、酷暑、 蒸し暑さの中、日本人は知恵と感性で自然の中に涼を求める納涼文化を生み出した。窓によしず、軒先の風鈴に打ち水、夜には川に船を浮かべて風に当たる。風鈴は神社仏閣の軒先に吊り下げる風鐸がルーツで、厄や魔を祓うことが目的だったもの。打ち水は、神様の通り道を清めるためのもだった。
人は天地万物の神への感謝を忘れない。五穀豊穣や無事を願う祭礼や神事となり祭りなどの夏の風物詩としてきた。夜空に咲く大輪の花、打ち上げ花火も夏の暑さを一時忘れさせてくれる夏の風物詩だが、無病息災、五穀豊穣、疫病退散を祈願するために打ち上げられたことから始まった。
木や草花はますます緑を濃くし枝を伸ばし、葉を広げ、田畑では太陽の恩恵を享受した作物は実りの秋に向けて育っていく。夕立、空に虹。暑さの中に少し風情を感じる。そして、平和を願う夏でもある。
ブレンドオイル | 学名 | 部位 | 抽出方法 | 原産地 |
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広島レモン | Citrus limon ミカン科 | 果皮 | 水蒸気蒸留法 | 日本 |
スペアミント | Mentha spicata シソ科 | 葉 | 水蒸気蒸留法 | アメリカ |
ライム | Citrus aurantifolia ミカン科 | 果皮 | 圧搾法 | メキシコ |
立涌
向かい合った2本の波状曲線で構成された幾何学模様。中国唐代の唐草が日本に伝来し平安時代に和風化した。公家の階級を表す“有職文様”のひとつで格式高い模様で、雲や蒸気が立ち昇る様は“運気も上げる”とされ、吉祥文様の一つとして縁起の良い文様。
9 芒種(ぼうしゅ)5ml
2025年夏以降に発表